舞台は都心から160km南に浮かぶ、東京の島「新島」。 南北に細長いこの島は、温暖な気候に育つツバキをはじめとする木々の緑と、 流紋岩質の白い砂土、そして澄んだ青い海に囲まれた自然豊かな場所です。
この島でいま、原料もつくり手も新島発の 「新島産原料100%焼酎をつくろう!」という動きがあります。
来る2020年に開催される東京オリンピック。 世界中から訪れる一流のアスリートや、関係者、そして観戦や観光のお客様。 みなさまを東京の島・新島を丸ごと表現するお酒でおもてなしできたら……。 そんな想いを胸に2016年「新島産原料100%焼酎プロジェクト」始動します。
焼酎(乙類)づくりには、一次もろみをつくるための「原料」と、焼酎の風味を決める「主原料」が必要です。 今回の新島産原料100%焼酎では、原料に大麦を、主原料にあめりか芋を使った芋焼酎をつくります。
かつては新島の食文化のベースだった食材。 お米の栽培に適さない島の主食を支えた作物でした。 しかしお米の流通とともに栽培量が減少。 2015年、今回の焼酎に向けて、島のじいちゃんばあちゃんに教わり栽培を再開しました。
新島では「芋」といえば、この芋を指す白いサツマイモ。 新島の気候や砂質の土壌に適し美味しく育ったこと、 貯蔵性が高く島の食文化に適した食材だったことから いまでも栽培されている全国的には希少な品種です。
国内平均を上回る年間降水量を誇る新島は、 浸透性の高い砂質の土壌が降った雨を溜めてくれるため地下水が豊富。 その地下水は、島民の生活を支えることはもちろん、 不純物が少なく上質な水のため、焼酎の仕込みに最適なのです。
観葉植物を扱う会社での経験を経て、2005年に故郷の新島へ戻り、 父の元で就農。2010年からあめりか芋や玉ねぎ栽培を手がけ、 2015年からは大麦栽培にも関わる、未来の新島農業の担い手。
新島焼酎「嶋自慢」をつくる (株)宮原3代目社長。2001年社長就任後、従来の麦焼酎だけでなく、 米・芋の焼酎も商品化。嶋自慢の個性を残しながらも、 飲み人に愛される焼酎開発を探求している。